欠陥住宅Q&A


Q1 日本では、建築に関する法律が整備されているのに、なぜ欠陥住宅という問題が起きるのでしょうか?
Q2  私はようやく念願のマイホームを手に入れたのですが、どうも建物が傾いているような気がします。それに前の公道をトラックが通るたびに家が揺れます。工務店に文句を言っても相手にしてくれません。どの建築士さんに頼めばよいのかもわかりません。 
Q3 建築士に鑑定を依頼する時、どのような点をチェックすればよいでしょうか?
また、どのくらいの費用がかかるでしょうか?
Q4  建築士さんに支払う費用はどのくらいでしょうか?
Q5  欠陥住宅について訴訟を提起するのは、どういう場合でしょうか?
Q6  私の家を建築士さんに頼んで調査してもらったところ、当初の設計図とは異なり、基礎や柱でかなり手抜きをしていることがわかりました。
今のところ日常生活に問題は生じていませんが、工務店に苦情を言ったところ、「何も支障が出ていないのだから、欠陥は無い」と言われました。
しかし今は問題が無くとも、地震が起きたらどうなるか心配です。
現実に支障が生じない限り、何も文句は言えないのでしょうか?
Q7  私は、この度、自宅の敷地に建物を建てるに際し、建設業者と契約を結ぶことにしました。業者は一般的に使われている契約書だとして〔民間連合約款〕という書類を持参しました。この「民間連合約款」で問題ないのでしょうか?















  A1 

 
日本では、建築士が法令と契約に従って建物を設計し、工務店がその設計に従って建物を建
 築し、その建築されている建物がちゃんと図面通りかを建築士が確認するというシステムになっ
 ています。


 しかも都道府県も建築図面がちゃんと法令に適合しているか、さらには、完成した建物がちゃん
 と法令に適合しているかを国がチェックします。

 こうして二重三重のチェックシステムが出来上がっているのですが、現実には全く機能していま
 せん。建築士が工務店を管理すると言っても、現実には工務店が建築士に仕事をまわしており
 、仕事をもらう建築士としては、工務店に文句を言うなどできません。

 それでは都道府県はどうかと言うと、これも表面的な検査で全く機能していません。

 


 






  A2 

 欠陥住宅問題は、専門性が高いので信頼できる建築士さんを選んで、チェックしてもらうことが
 必要です。

 しかし、その人選は非常に難しいのが実情です。特に地方の場合、地元の建築士さんは地元の
 工務店と非常に強いつながりがあるので、避けた方が無難でしょう。

 知り合いがいなければ、JIA(日本建築家協会)に推薦してもらうのも一つの方法です。JIAは建
 設業者とは一線を画すコンセプトで設立された団体です。

 その他、インターネットやチラシに“●●検査協会”などと名乗って、営利目的で検査を請け負う
 団体が乱立していますが、ピンからキリまでというのが実情です。

 高い鑑定料を払って診断を頼んだにもかかわらず、なんの役にも立たず、訴訟にも協力してもら
 えず、二次被害が発生したという例は少なくありません。

 


 






  A3 

 ●●協会といった類のところに検査を頼んで私的鑑定書を書いてもらっても、客観性がなく、とて
 も裁判所では役に立たないというケースが少なくありません。中には、鑑定書は書くが、裁判の
 証人になることは拒否をするという人もいます。

 ですから、
 @いざという時には、証人に立ってもらえるか
 A裁判所で、証拠として利用できる鑑定書を書く自信と経験があるか
 という点を確認してみましょう。

 自分の鑑定に自信があるなら、「裁判所に出さないでくれ」とか「証人にはなれない」などとは言
 わないはずです。

 


 






  A4 

 建築士の費用は相場はありませんが、時給で決める場合は、1時間8000円という例が多いよう
 です(平成18年12月現在)。

 ですが、補修費が大した金額ではないと、補修費よりも建築士さんに支払う鑑定料の方が高いと
 いうことになりまかねません。この辺は事前に建築士さんとよく相談しましょう。

 


 






  A5 

 訴訟には時間と資金がかかります。

 一概には言えませんが
 @基礎・骨組みなどの構造に重大な欠陥がある場合 → 訴訟
 A雨漏りなどで原因特定が難しい場合 → 補修
 Bそれ以外の場合 → 示談・調停手続き

 というのが、大体の基準です。

 


 






  A6 

 実は、工務店が言うような主張を認めた判例は少なからずあります。

 しかし、最近は
 @建築基準法は、最低限の水準を定めた規定である。
 Aしたがって、その最低限の水準さえ守られていない建物は、それ自体が損害である。
 という考えが、裁判所の主流となっています。

 つまり、「欠陥」を「日常生活での不便・不都合」とは捉えず、
「建築基準法に違反したこと」そ
 れ自体が欠陥である
と考えるのです。

 本件の場合、建築基準法に違反したこと、それ自体が欠陥ですから、建築基準法に適合するよ
 うに補修請求できる権利があります。

 なお、契約書で建築基準法より上のランクで建築請負契約をした場合は、契約書の定めた基準
 に違反すれば、建築基準法を遵守しても、「欠陥」があることになります。

 


 






  A7 

 請負契約を締結する時、市販の契約書に、この「民間連合約款」を添付して、請負契約書とする
 という例が非常に多いですね。

 しかし、この「民間連合約款」は、建設業者に都合の良い事項だけを並べており、いざというとき
 、損失の全てを消費者が負担する仕組みになっています。

 例えば、欠陥責任を追及する期間などは、法律よりも大幅に短縮されて、欠陥に気付いたころ
 は、「もう時効です」という主張ができるようになっています。

 また、建築代金の支払いが遅れると1日につき年率14.6%の金利を支払う覚悟が必要となる仕
 組みになっているのです。

 ※日弁連は、「消費者のための家づくりモデル約款」を作成していますので、業者と交渉してこち
  らを利用するようにしましょう。

 


 



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