建築基礎知識

 
1.建築基準はなぜ定められているのか?
 
  建物には色々な圧力がかかります。しかし、建物にはその圧力に負けない力が必要です。
  
  どんな圧力がかかるかというと、ざっと以下の通りです。
  @ 固定荷重  (建物自体の重さ)
  A 積載荷重  (室内の人・家具の重さ)
  B 積雪荷重  (雪の重さ)
  C 地震力    (地震で揺れることによる力)
  D 風力      (風で建物にかかる力)
  E 気温変化  (気温変化による建築材料の伸縮)

  このうち@〜Bは、上から下にかかる力で、建物を押し潰そうとします。
  CとDは、水平方向にかかる力で、建物を倒そうとします。

  建築基準法は、これらの力が加わっても建物が倒壊しないための最低基準を定めています。

  
しかし、現実には、この最低基準が守られていない建物が非常に多いのです。


 

  2.構造計画・構造設計とは?

  建物は、まず、どういう骨格の建物にするかを決める構造計画が行われます。

  ここで大事なことは

  @ 地盤の状態の調査
  A 荷重の計算

  です。

  つまり、これから建てる建物の敷地は、硬いのか、軟らかいのか、また、建物の敷地の固定・ 
  積載荷重や、地震・風などによる負荷を計算し、工法・材料・構造を決めます。

  この構造計画の基づいて、構造設計が行われ、構造設計図が完成します。




  3.木造建物ができるまで

  (1) 地質調査から基礎まで

     まず、敷地の測量をします。ついで地盤調査をし、地盤が軟らかいか、硬いかを計測しま
     す。そして、建物をちゃんと建てられるように敷地の造作をします。そして、“水盛り・遣り
     方”といって、水平を決める作業をします。水平が決まったら、基礎にかかる力を計算し、
     基礎を作ります。

     訴訟となるケースの多くは、この段階に問題があります。
     
「軟弱な地盤なのに、しっかり造成しないまま建物を建てる」「基礎がいい加減」というケー
     スが非常に多いのです。


     完成した建物をチェックする時、普通は視界に入るものに注意がいきます。わざわざ建物
     の下にもぐり込んで調査する人はいません。つまり一番大事だけれども、一番手抜きしや
     すいところなのです。


  (2) 建前−土台の取り付けから棟上げまで

     まず、基礎の上に土台を取りつけ、次に土台の上に柱などの垂直材を立てます。そして、
     2階の床梁を取りつけた後、2階の柱(管柱)を建て、屋根の骨格となる小屋梁・軒桁・母
     屋(もや)・垂木(たるき)を組み、骨格の主要部分が完成します。

     訴訟に発展するケースの多くは、基礎と並んで、建前段階の作業が問題になります。
     
「取り付けがいい加減」「筋交(すじかい)・火打ち土台など無い」等です。

     これらも建物が完成してしまえば、ユーザーの目には見えません。基礎と並んで大切な箇
     所ですが手抜きしやすいところなのです。


  (3) 棟上から建具・内装・設備工事まで

     屋根の骨組み(小屋組みという)が完成すれば、建前は終了です。屋根の一番頂上に棟
     木を取りつけたときに上棟式を行い、それから屋根を葺きます。

     そして、床・壁・天井などの内装を仕上げ、設備工事をして建物は完成です。

     普通これらの目に見える部分はあまり手抜きをしません。
     
ただ、防水工事・防化工事については目に見えないので、手抜きをしていることがありま
     す。



  ※ 建築業界は、消費者を相手に受注合戦を繰り広げています。
     建物を売るためには、「(建築が)早い」「(建築費が)安い」「見た目が良い」ことが大切で」
     す。

     そのためには
目に見えない部分−基礎とか建前など−を適当に行い、顧客の視界に入る
     内装や設備をしっかりすれば、顧客には「良質な建物を安価で早く提供します」ということに
     なるのです。


     そして、このような手抜き工事をチェックすべき検査体制は、全く機能していません。建築
     基準法は本来「最低」基準を定めているはずなのに、現実には「理想」基準として機能して
     います。




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