離婚を悩んでおられる方へ

森法律事務所から一言

1,子どものために離婚すべきでないという主張について

しばしば「子供のために離婚しない」という主張があります。これは、多くは離婚請求される配偶者が離婚請求する配偶者に言う言葉です。子供のために多少の我慢はしなさいという発想です。
しかし、「両親が揃っている方が子供のためによい」というのは、両親の関係が良好な場合に言えることであって、両親が不仲の場合は、必ずしもあてはまりません。
同居している両親が不仲だと、子供は大人が考える以上のストレスのなかで育つようになります。これは、大人が考える以上に、子供の心を深く傷つけ、子供を精神的に追い詰めています。
ときどき、「うちの子は、私たちの不仲をあまり気にせず、友達と楽しい日々を過ごしています」と話す親がいますが、これは、子供の表面だけをとらえての誤解であることが少なくありません。
現在は、夫婦喧嘩は子供に対する虐待というのが常識になっています。夫婦喧嘩しながら婚姻関係を継続するのは、虐待行為で、子供の脳を物理的に損傷します。

2,専業主婦等の方で離婚を考えている方へ

離婚しても十分生活できる経済力がある場合は問題ないのですが、専業主婦やパート勤務の場合、離婚すると日々の生活問題に直面します。
離婚すれば、夫は他人になりますから、夫からは、生活費がもらえなくなります。ときどき、離婚しても、元夫は、元妻に従前と同様の生活を送らせる義務があると考えている方がおられますが、そういう義務はありません。

離婚後は、離婚の際に獲得した金銭と自分の給与だけが頼りになります。それで、果たして生活できるか、もう一度、よく考えてください。
ある程度、今の生活が辛抱できるなら、自立できる経済力を身に着けてたのちに離婚に踏み切ることも検討すべきです。
しかし、精神的に追い詰められている方は、離婚を選択すべきです。