モラハラのご相談

モラハラについて

モラハラと性格の不一致はどう違うのでしょう?夫婦の意見が食い違う時、対等ならば夫婦喧嘩になります。しかし、夫婦間で上下関係があるときは、意見の食い違いが、一方的な意見の押し付けになります。これがモラハラです。
その背後には、本来、対等であるべき夫婦関係なのに、上下関係にしてしまうという加害者のパーソナリティのゆがみがあります。その多くは、「障害」というレベルに達していないものの、自己愛性パーソナリティ傾向、境界性パーソナリティ傾向が顕著です。
弊所は、その観点から、実践的手引書として、下記書籍を出版し、好評を得ています。

・心の問題と家族の法律相談 離婚・親権・面会交流・DV・モラハラ・虐待・ストーカー

元東京家裁調停委員の視点

調停をしていると、あ、この人はモラハラだなということは、たいてい、わかります。自分の配偶者に対して、発言が上から目線なんですよね。完全に家庭内上司になっています。なかには調停委員に対しても、上から目線の人がいます。
ただ、それは、その人の持って生まれたパーソナリティですから、本人は自覚できません。調停委員会も、「あ、典型的なモラハラだな」と思っても、絶対言いません。適当に、「立派ですね」と心にもないお世辞を言ってごまかします。言っても無駄だし、言ったりすると猛反発されて、調停が荒れてしまうからです。
調停に継続する前の当事者間のLINEとかメールが証拠としてだされますが、上司の指導・指示みたいで、斜め読みしただけで、モラハラであることは一目瞭然。「あ、こりゃダメだ、話し合いは不可能」と考えます。
調停で出される主張書面を読んでも、モラハラ感満載。「これだけ注意したのに守れない」「なぜ、こんな単純なことがどうしてできないのか」等々、「上司の苦言」が並びます。代理人の先生、このモラハラ感満載の主張書面、よく出したなぁ、と感心(?)したりします。
それと、家族生活に関し、認識がまるで違います。配偶者が泣かんばかりに日々の生活のつらさを訴えているのに、「逃亡する一月前に家族旅行にいった。みんな楽しそうだった」「喧嘩はしたことがない。いつも和気あいあいとしていた」と主張して、家族みんなで楽しそうに写っている写真を証拠に出したりします。そんな写真出されても、だから何?この写真で何を立証したいんですかと、内心思わずつぶやいてしまいます。もちろん、口では、「確かに家族全員楽しそうにしておられますねぇ」と一応はリップサービスはしますが。