養育費・婚姻費用のご相談

養育費・婚姻費用については、裁判所の定めた簡易算定表という表が裁判所から発表され、実務では、その表にしたがって算定されていることから、他の論点に比べて、比較的早期に解決することが多いです。
ただ、算定表は、典型的なパターンを想定しているにすぎませんから、そこから外れるケースが相応にあります。また、相手が任意に支払わない場合はどうするのか、という問題もあります。
下の書籍は、実務家が養育費・婚姻費用の事件処理で直面する問題について、 弊所が現実に担当した事件処理のなかから取得し蓄積している弊所のノウハウを書籍化したものです。是非、ご購入ください。

元東京家裁調停委員の視点

離婚調停では、まず、婚姻費用を先に協議します。それは、日々の生活費は、全てに最優先するからです。
調停委員の観点からみると、この婚姻費用や養育費に対する態度で、親のパーソナリティがわかります。
別居親についていえば、収入をごまかしたり、不自然な主張をして婚姻費用や養育費をできるだけ減額させよう、あわよくば不払いにしようという別居親は、同居親との戦いを優先し、子供に対する愛情が不足していると認識されます。
別居親側から、面会交流と婚姻費用・養育費と絡める主張も、しばしばなされます。同時履行の関係だとか、お金の問題より先に親子の絆を守ることが大切だから、先に親子交流を決めろ、という主張です。このような態度も、別居親の子供に対する愛情不足と認識されます。親子交流させないうちは養育費は払わないという議論は、成り立ちません。
そのような発言をすれば、所詮は、子供のことよりも自分の感情を優先させる親かと認識されてしまいます。そうなれば、あとは、どんなに子供への愛情を主張しても、全く相手にされません。
モラハラ傾向の強い別居親に、こういう傾向が顕著なことから、別居親のモラハラ的傾向を認定する格好の材料となります。
一方、同居親の問題として、最低限、こういうレベルの生活はしたいから、算定表では問題外だと主張する同居親も、「我儘で自分勝手」と認識されます。こういう同居親は、情緒不安定な人が多く、こういう場合、相手がモラハラだと主張しても、内心、あなたが我儘なんじゃないの?と思われてしまいます。
婚姻費用や養育費に対する不誠実な態度は、本人がうまく言いつくろっているつもりでも、たいていはバレバレです。逆に誠実な態度で臨めば、「この人は信頼できる」と思われます。
できるだけ正直に、調停に臨むことが、離婚調停事件を有利に解決するコツです。

養育費・婚姻費用のご質問とアドバイスもご参照ください。