共同親権の現在の状況 ジュリスト掲載

最高裁沢村家庭局長の国会答弁によると、今年の4月から7月の統計で親権が争いになった離婚事件の終局事件846件のうち、母親が親権者と指定された件数が707件(約84%)、父親が親権者と指定された件数が107件(約13%)、共同親権と指定された件数が32件(3.8%)だったそうです。そして、この32件のうち和解が26件、判決が6件ですから、判決で共同親権を命じられたのは全体の0.7%です。
判決で共同親権が6件というのは意外と多いという印象です。事案の詳細はわかりませんが、監護者自身にかなり問題があり、非監護者に監視させようとする趣旨だと思われます。実務だと、どっちもどっち、両方とも不適格というのは、レアケースではありません。
また10月末時点での現役東京家裁調停委員の感想だと、意外と共同親権は主張されていない、ほとんど主張された経験がないという方が多いように思います。当事者は意外と冷静で、親権が共同になったら紛争が際限なく続くということは自覚しておられるようです。SNSで、一部の弁護士が、子連れ別居はDVでも誘拐罪だ!とか、監護しない親は養育費は支払う義務はない!とか、親子交流は不可侵の憲法上の権利で支援措置は憲法違反だ!とか、どう考えても別居親を煽っていて紛争をこじらせる方向にもっていっており、どうなることかと心配していました。
いまだにSNSで、全て共同親権になるよう立法しろとか、最高裁を国会に呼び出すという国会議員とか、勇ましい意見が飛び交っているようですが、一部の粘着質なモラハラタイプの方を除いて、当事者の多くは、冷静に対処しているようです。大体、子どもに会えない、誘拐だという当事者もいますが、少なくとも、筆者の経験した事例で直接的親子交流が認められなかった事例は、全て、そりゃそうだよなというケースがほとんどでした。但し、それを自覚する方は皆無です。
それと、相変わらず、婚姻費用の成立を急ぐ調停委員に対し、「お金よりも大切なもの(注 親子交流のこと)がある」という方、多いですね。ほとんどモラハラタイプで粘着質です。日々の生活費よりも大切なものがあるんですかねぇ。
この点は弊著『熟年離婚事件の弁護士実務』で述べていますので参考にして下さい。なお、『熟年離婚事件の弁護士実務』は、有斐閣学習書編集部「ジュリスト」受贈図書に掲載いただきました。ご紹介ありがとうございました。
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